【2016年試乗記録⑤】スバル・レヴォーグ
もう、「ステーションワゴン」と呼べるクルマを真面目につくっている国産メーカーってスバルだけなんじゃないでしょうか?北米市場を意識して大きくなりすぎたレガシィの後を継いで2013年東京モーターショーで発表・発売された国内専用コンパクトステーションワゴンです。※後に欧州でも販売開始
セレナのプロパイロットが発表された直後だったので、【アイサイト ver.3】を試すのを主目的で試乗しました。インテリジェントクルーズコントロール(前車追従式自動車速制御)が付いたクルマはいまやたくさんありますが、レーンキープアシスト(自動ステアリング制御)を試すのは初めて。そのレーンキープアシストは効いてるのか効いてないのかよくわからないくらいのレベルで、どこまで任せられるか試してたらドキドキして逆に疲れちゃいました(笑) 自動操作を確かめたくて、ハンドルをゆるーく握っているとすぐに「ハンドルを操作してください」と警告が出て煩わしい。持ってはいるのになぁ。「アシスト」という名前だからこれでいいのかもしれないけど、期待よりは自動感がなかったです。「自動運転」のセレナはもっと制御が介入してくるんでしょうか?そろそろ乗ってみたい。
エンジンは1.6Lターボ、トランスミッションは珍しい縦置きCVT。100km/h巡行時のエンジン回転は約1900rpmでCVTにしてはやや高め。このCVTの変速制御の仕方が、とても個性的でした。アクセルをゆっくり踏み込む加速のときはなるべす2000rpm以上は回さないように変速を抑える意図を感じます。ここで意図に反してびゅいーんと際限なくエンジン回転が上がってしまうのがよくCVTが嫌われる要因なのですが、スバルはそのラバーバンドフィールを排してリニアでダイレクトな加速を目指しているようです。
ただ惜しむらくはこの1.6Lターボエンジンのレスポンスが悪い。やっぱりエンジン回転は回した方が加速はしくれて、その回転を抑えるならエンジンが低い回転からグイグイとトルクを出してくれないと厳しい…それでむりやり回転を抑えれば、ダイレクトと言うよりはただただかったるいクルマになっちゃいます。それだけ我慢しても燃費計の数字は10.4km/L。JC08燃費は16.0km/L。燃費はお世辞にもいいとは言えません。
2016年のCOTYカーオブザイヤーを獲った新型スバル・インプレッサはレシオカバレッジを世界最大級に拡げた新型CVTと2Lの自然吸気エンジンを積んでいます。この路線のCVT制御を踏襲しながらレスポンスの良い自然吸気エンジンと組み合わせているなら、これにもぜひ乗ってみたいですね。
個人的にはステーションワゴンの形が大好きなので、スバルには頑張ってほしいです。