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【読書記】スレイヤーズ⑯ アテッサの邂逅/神坂一

スレイヤーズ16 アテッサの邂逅

かいこう【邂逅】 -する(自動詞サ行変格活用) ①〔しばらく会わない人に〕思いがけない所で(機会に)会うこと ②〔人生の途上において重要な機縁となる〕出会い。めぐり会い。
三省堂 新明解国語辞典 第7版より引用


完結から18年。この本は作品を愛し続けたファンにとってはまさに“邂逅”、予期せぬめぐり会いでした。だって25周年記念のアンソロジーが公式から発刊されただけでも奇跡と呼んでいいくらいだったのに、まさか完結したはずの長編の新作が出るなんて…Σ(o'д'o)

その反響は大きく、発売から数日で売り切れる書店が続出。ネット通販も在庫切れとなり「スレイヤーズ難民」が各地に発生したと言います。

ぼくは発売前から会社が提携していて職場の売店で受け取れるネット書店で予約していたので大丈夫でしたが、しかしなんだかすぐに読むのがもったいないくて、どうせなら集中して一気に読みきってしまえる機会を窺っていたらここまで寝かせてしまいましたσ(^_^;)

いまは増刷も2回されて、Amazonでも十分に在庫があるようです。また、発売直後にはまだ対応してなかったkindle版もあります。


さて、本の感想ですがスレイヤーズをまた読めるのは嬉しいし懐かしい。でも新刊が出たことで、あぁやっぱりこれは一度終わった作品なんだなと改めて思い知ったような気もします。

16巻とナンバリングされてはいますが第3部が始まるわけではないようで、あとがきで作者の神坂一氏が語ったようにこれは同窓会的な復活スペシャル版と呼んだ方がふさわしい内容。ほらほら読者はこーいうシーンを欲しがってるんでしょ!?っていうサービス精神が至る所に発揮されています。それもあって、どうも原作の長編小説を読んでいるような感覚がしませんでした。

なんて例えればいいのかずっと考えていましたが、これは原作者本人が書き下ろした劇場版「スレイヤーズ」の脚本を読んでいると言われると一番自分の中でスッキリします。この内容の劇場版アニメが制作されたらそれはもう最高だと思いますよ。

懐かしのあのキャラが出てきた!
となればコイツも外せないでしょ!?
あいつは出てこないのかな??
えー、このひとってこんな性格だっけ?

そんなことを思いながら読む本作って「劇場版ドラゴンボールZ 神vs神」を観たときの感覚に極めて近いような気がするんです。いくら人気作とはいえドラゴンボールと比べるとさすがにスケールが違うかもしれませんが。

ただ、ドラゴンボールと決定的に違うのはあちらは主人公・孫悟空の強さが青天井にインフレしていくのに対して、こちらは主人公のリナ=インバースが“だんだん弱くなっていってる”ということ。もちろん、人間としては成長していってるのですがいろんな事情で使えなくなってしまった武器や呪文があり、同じ手段ではある程度以上の強さの敵を倒すことができなくなっている。そこに主人公たちの工夫や成長の余地があり、物語に奥行きをもたらしています。

そういう意味ではしっかりと「スレイヤーズ」として面白かった。だけど16巻というナンバーがついたが故のハードルは超えられなかったというか、肩透かし感も否めなかったのも確か。でもまぁ、ドラマとかアニメとか、完結した作品の復活スペシャル編って観た後はいつもこんな気持ちになりますよね(*´-`)

それでも本当に懐かしく、改めて全巻読み直してみたくなってしまいました。そういう人はきっと多いんじゃないでしょうか?しかしいくら薄いライトノベルとはいえ、長編15巻とすぺしゃる&すまっしゅ35巻を実家から取り寄せるのは大変。そういう方にはkindleの合本版が便利です。すべてがスマホやタブレットの中に入っていつでもどこでも読むことができます。たまーに、信じられないくらいのセールをやってるので(90%引きとか)こまめにチェックしてみてください。


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※興味深い振り返り&考察記事が現在7まで書かれています。

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