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【読書記】あなたの話はなぜ「通じない」のか/山田ズーニー

年間10冊は本を読もうと決めたときに、その内の1冊か2冊は昔に読んだものを読み直してみようと思いました。これもそのひとつ。

山田ズーニーさんの初著書「伝わる・揺さぶる!文章を書く」はぼくの“人生の10冊”にも入れようと思う名書。 就活のときに出会って10年、ずっとこの本で学んだ「ものの考え方」に助けられてきました。

「伝わる…」が文章作成を通して自分が本当に伝えたいことは何かを「考える力」を養う本なら、2冊目となるこの本はその考えた伝えたいことを「伝える力」を、と言うよりは「言いたいことが伝わる人間になる」方法論を語ってるのかなと思いました。自分なりに要約すると下記3点、

① 考えることとは、即ち問いを立てること。意見はちがうひととも、問いは共有・共感できる。

② 何を言うかよりも誰が言うかが重要なことを認めよう。自分の信頼度:メディア力を上げることが伝える力を上げる。

③ 自分を理解してもらうために、何より重要なのが相手を理解することだ。

①は「伝わる…」とも共通項、自分の中でも定着していろんなところで引用してきました。②についても読んだ記憶があります。今回、改めてハッとしたのは③について。

「コミュニケーションに問題が発生したとき、基本的に解決できうるのは伝えたい側の方だけ」とずっと思っていました。それは今も変わりませんが解決手段は「伝え方」にあるとばかり思ってました。何度も言う、文章で言う、絵を描いてみる、相手が理解できるよう手を変え品を変え、根気強く伝えようとする。でも、届かない。通じない。

そんなとき、自分の言いたいことを理解してほしいという思いばかりが立ちすぎて、相手を理解することを忘れていないか?「相手の読解力に頼れないなら、頼れるものは自分の読解力しかない」この言葉には目からウロコでした。ひとは自分のことを理解してくれる人の言うことなら、耳を傾けようと思うもの。理解して欲しければ、まずは相手を理解する。それによって②のメディア力が上がる。ではどうすれば理解できるのか?そこでまた①の問いが出てくる。相手が何を問いとしているか、それがわかれば共感できる。すべてがぐるっと回って繋がりました。

確かに、どんなに口先で褒めてくれても、うんうんと頷いてくれても、「この人おれの言うこと本当にわかってるのかな?」となる人に饒舌に喋る気にはなれないし、どんなに正しいことを言っててもこちらの論点をまったく無視して自分の興味あることばかり語るひとの言うことなんか聞きたくならないですよね。

「自分を理解してもらうために、まずは相手を理解する」 肝に命じます( ̄^ ̄)ゞ

LINEもFacebookもTwitterもまだ広まってなかった時代。mixiはギリギリあったかな?そんな頃に書かれた本ですが、コミュニケーションの本質は基本的には変わらないし、山田ズーニーさんはこの後にもずっと同じテーマでいろんな本を書かれています。オススメです。


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