ひろろぐ

見たり 聴いたり 食べたり 読んだり 乗ったりの記録

【読書記】イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」 /安宅 和人

やっとペースが上がってきました。3冊目はいわゆる自己啓発系のビジネス本。いかついタイトルで結構な厚さですが、内容はすっきりしていてかなり読みやすかったです。

「イシュー」とは問題、この場合は課題と言ったほうがいいかな。

仕事でも研究でも、ある課題を解いて結果を出すわけですが、課題を解き始める前に「それが本当にイシュー(解くべき問題)なのかを考えるところからはじめよ」という本です。

「解の質」が大事なのは当然だけど、世の中そもそもの「問いの質」が見落とされがち。質の低い問いにいくら時間をかけて質の高い解を用意したところで価値ある仕事にはならないと。


この本を読んでて思い出したのは山田ズーニーさんの「伝わる!揺さぶる!文章を書く」就活時代にすごく助けられた本でした。この本でも、「考えるということは、即ち問いを立てることだ」と説いています。研究やビジネスにおける問題解決と、小論文を題材にした自己分析・自己表現とではシーンは異なりますが根底に流れてるメッセージは同じじゃないかなぁ、と。

価値ある仕事ができているひとは、価値ある問いが立てられている。面接で個性的でリアリティのある受け答えができているひとは、面接官のふわっとした質問を個性的でリアリティのある問いに変換できている。考え方(答えの出し方)そのものが飛んでいるのではなくて、問いの立て方が違うのだ。

ズーニーさんの本と違うのは、この本の方が仕事人向けにより“戦略的に生きる”ことを勧めてるところでしょうか。イシューを絞りこんで戦略的に取り組むということは、つまり「やらないことを決める」ということでもあります。これが中々難しい…

そして最後に大事なのは、いくらイシューを戦略的に絞り込んでその質を上げたとしても、解の質を上げるのは愚直な努力と経験の積み重ねでしかないということですね…(; ̄▽ ̄)


スポンサーリンク